性感染症(性病)かも…と思ったら
近藤産婦人科医院では、さまざまな性感染症の診断・治療を行っております。
ご自身の身体はもちろん、パートナーの方、そして生まれてくるお子様を病気から守るためにも、
「何かいつもと違う…」「性感染症かも」と思ったときはすぐに検査を受けましょう。
このような症状はございませんか?
- 外陰部に痛み・痒み・違和感がある。
- 外陰部に水泡・いぼ・腫れがある。
- 性交時性器から出血する・痛みがある。
- 性交時や排尿時に痛みがある。
- 下腹部の痛み・違和感がある。
- 微熱が続いている。
- おりものの量が増えた。
- おりものの臭いが強い、色が前と違う。
主な性感染症を知っておこう!
クラミジア感染症
クラミジア感染症は、現在、国内ではもっとも発症頻度の高い性感染症と言えます。
中でも20代の女性に多く、ほとんど自覚症状がないため、発見が遅れるケースも目立ちます。
女性の生殖器への感染により、「子宮頚管炎」のリスクが高まります。
クラミジア感染症の症状
1~3週間の潜伏期間の後も7割以上の方に症状が現れません。残りの約3割の方に、おりものの増加、下腹部痛、性交時の痛みなどの症状が現れます。
感染の進行とともに炎症が進み、卵管が狭くなったり、骨盤内の癒着を起こしたりすることもあります。これらは、不妊や子宮外妊娠の原因となり得ます。
特に妊娠中のクラミジア感染症は、流産・早産の原因となる他、産道での感染により、出産後のお子様が結膜炎や肺炎を起こすリスクも高まります。
クラミジア感染症の検査
クラミジア感染症は、分泌物や尿の検査を行い、診断します。
クラミジア感染症の治療
早期発見できれば、抗生物質の服用で治せます。
パートナーも検査を受け、お二人で治療することが大切です。
トリコモナス膣炎
トリコモナス膣炎は、トリコモナス原虫の感染によって起こる膣の炎症です。近年は減少傾向にあります。
ほとんどは性行為により感染しますが、浴場・便器、共用タオル、手などから感染するケースもあります。30~40代の方に発症しやすく、これは他の性感染症ではあまり見られない傾向です。
トリコモナス膣炎の症状
4~20日の潜伏期間の後、外陰部の痒み・痛み・灼熱感、悪臭の伴う黄色っぽい膿性のおりものが出るなどの症状が見られます。
トリコモナス膣炎の検査
トリコモナス膣炎は、顕微鏡検査、培養検査などを行い、診断します。
トリコモナス膣炎の治療
抗原虫薬(メトロニダゾール)を使用して治療します。
尖形コンジローマ
性行為の際のヒトパピローマウイルス感染により、外陰部から肛門にかけて、小さないぼがたくさんできる性感染症です。
身体の抵抗力が落ちているときに発症しやすい傾向にあります。
尖形コンジローマに感染した方は、子宮頸がんのリスクが高くなると言われています。
尖形コンジローマの症状
数週間から数か月の潜伏期間の後、いぼが生じ、かたまりになりながら、痒み、灼熱感を伴います。
いぼがかたまりになると、カリフラワーのような形状になるのが特徴です。
尖形コンジローマの検査
尖形コンジローマは、医師が一見して診断できるほど特徴的な性感染症です。ただ、膣のひだとの鑑別のために、一部組織を採取し、病理検査を行う場合もあります。
尖形コンジローマの治療
通常、外用薬で治療します。
ただ、大きなもの、また場所によっては、電気メスやレーザーでの焼き切り、液体窒素での凍結といった方法で治療することもあります。
性器ヘルペス
性行為による単純ヘルペスウイルスへの感染を原因とし、主に外陰部・膣で潰瘍や水泡が生じる病気です。
初めて感染した場合、症状が急激に悪化することもあり注意が必要です。激しい痛みで排尿ができなかったり、発熱を起こすこともあります。
また、妊娠中に発症すると、出産時にお子様に感染することがあります。
単純ヘルペスウイルスについて
単純ヘルペスウイルスに一度感染すると、症状が治まってからもウイルスが神経細胞に潜伏し、ストレス・疲労・妊娠・体調不良のときなど、抵抗力が落ちたときに再発を起こすことがあります。潜伏しているウイルスを身体から完全に排除することは不可能ですが、症状に対する適切な治療で、症状を改善することは可能です。
性器ヘルペスの症状
2~10日の潜伏期間の後、初感染の場合であれば、5ミリ程度の小さな潰瘍が性器に生じます。この潰瘍は激しい痛みを伴い、歩行や排尿が困難になるケースも見られます。
また、両脚の太ももの付け根にあるリンパ節が腫れる、発熱といった症状を伴うこともあります。
再発の場合には、これらの症状が比較的軽くなって現れると言われています。
性器ヘルペスの検査
性器の病変を綿棒などでぬぐい、ヘルペスウイルスの有無を検査し、診断します。
性器ヘルペスの治療
抗ウイルス剤の点滴、内服薬、外用薬などにより治療します。
他の性感染症と比べて感染力が強いため、患部に触れたときはしっかりと手を洗うなどの注意を払い、周囲への感染にも気をつけねばなりません。
淋病
淋病は、淋菌という細菌によって引き起こされる性感染症です。
女性は感染しても症状を自覚しにくく、そのことが発見と治療開始の遅れにつながっています。
淋病の症状
淋病は無症状のケースが少なくありませんが、子宮頚管部(子宮の入口部分)での炎症、黄色い膿のようななおりものが出る、などの症状が見られることもあります。
発見が遅れたり放置してしまうと、感染が広がり骨盤内で炎症を起こします。その際には発熱・下腹部痛などの症状を伴います。そうして治療をせずにいることで、不妊の原因にもなります。
妊娠中に感染している場合、出産時に産道を介して新生児に感染し、新生児の結膜炎の原因ともなります。
男性の淋菌性尿道炎から、オーラルセックス(フェラチオ)を介して女性の喉に感染した場合には、特に発見が遅れるケースが多くなっている現状があります。喉の違和感・痛みなどの症状が現れたときには、すぐにご相談ください。
淋病の検査
女性の場合は、症状からの判断が難しいため、おりものを検査して診断します。
淋病の治療
主に抗生物質で治療を行いますが、薬剤が効きにくい淋菌も増えているため、治療後に淋菌の陰性を確認する必要があります。
治療直後は正確な陽性/陰性の診断ができないこともあるため、治療から10日ほど期間を置いてから検査を行う必要があります。
梅毒
梅毒は「昔の性病」というイメージが強く、確かに衰退した時期もありましたが、近年先進国での感染例が増えており、日本も例外ではありません。特に、若い女性の間で広がっているようです。
梅毒はHIV感染症と合併して感染するケースも増えているため、梅毒と診断された方は、HIV検査も併せて受けることが大切です。
梅毒の症状
初期は、性器・口・肛門・手指などの感染部位に、痛みのないしこりができたり、そこから膿が出ることがあります。また、鼠径リンパ節の腫れなどを伴います。
進行すると、全身のリンパ節の腫れ、発熱、倦怠感、関節痛などの症状が現れます。ピンク色の痣が足から顔面まで出現し、これは「バラ疹」と呼ばれる特徴的な症状です。
妊娠中に感染していると、新生児が先天性梅毒にかかるリスクが生じます。ですので、妊娠中に治療を行うこともあります。
ただ、近年では梅毒が重度にまで進行して発見されることは稀です。症状に気づいたときには、すぐにご相談ください。
梅毒の検査
血液検査により、梅毒の細菌の反応を調べ、診断します。
梅毒の治療
アモキシシリンやアンビシリンなどの抗生物質の内服により、治療します。
治療効果が現れるまで、短くとも4週間、長くて半年ほど、経過を観察しながら服用を続ける必要があります。
HIV感染症(エイズ)
HIV感染症は、性行為、母子感染(出産・授乳)、注射器の使い回しなどにより感染します。
HIV感染症は、長い潜伏期間の後に発症し、エイズと診断される頃には、さまざまな病気に対しての抵抗力が失われ、罹患リスクが上昇します。
近年は、梅毒や性器ヘルペスと合併感染するケースが多く見られます。
HIV感染症の症状
HIV感染症は、「感染初期」「無症候期」「発症期」の3つの段階に分けられ、それぞれで症状の特徴が異なります。
感染初期
感染後の約2週間です。発熱・倦怠感・筋肉痛・リンパ節の腫れと痛み・湿疹などの症状を伴います。ただ、全く症状の現れないケースもあります。
無症候期
感染後の数年~10年間です。HIVが増殖を続ける一方で、私たちが持つ免疫機能により、症状が抑えられています。
発症期
HIVの力が、免疫機能を上回った時期です。規定の代表的な疾患23個の内の1つ以上に罹患したと認められた時点で、「エイズ」と診断されます。さまざまな病気にかかりやすくなり、最悪の場合には、命を落とします。
HIV感染症の検査
血液検査を行い、診断します。
HIV感染症の治療
それぞれの疾患に対しての専門的な治療が必要となるため、信頼の置ける医療機関の専門医をご紹介させていただきます。